「アルプスパンチ!」と「なついろパンチ!」に惹かれた、GRにつけてみたくなった
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今年の7月14日にマルミ光機からなんともインパクトのあるフィルターが2種発売されていた。。
製品名が「アルプスパンチ!」と「なついろパンチ!」、名前からはその効果がイマイチイメージできなかったが、パッケージデザインとlogoがやたらと可愛らしい。
このフィルター、写真家の鈴木さや香さんとマルミ光機の共同開発らしく、調べるとコンセプトなどなんか面白かった。
マルミ光機、フィルターのメーカーとして存在はしていたけど、どちらかというと硬派なイメージを持っていたし、使っているフィルターは○ンコー製がほとんどで、使ったことがなかった、、長野に工場を持つ会社で設立も1952年と歴史もあるメーカーらしい。
写真家の鈴木さや香さんも存じ上げなかったが、写真家としての活動と鎌倉にAtelierPiccoloというお店(アトリエ)を運営、一般社団法人 写真と暮らし研究所の代表もされているようです。
解像度を選ぶ
筆者も解像度の高い機材は好きだし、oldレンズの沼にも結構はまってきてたりします。
oldレンズやフィルムカメラに頼らず、現像のプロセスで味付けをするような後処理でもない、撮っている時の偶発性や生っぽい感情や思いをできるだけそのまま伝える、、この辺りのコンセプトにグッときました。
パッケージデザインが可愛すぎるので、
💭かんたんに懐かしい感じやトイカメラ風に撮れる
だけで終わっちゃいそうな第一印象もあるように思いますが、懐古趣味への高い技術と現代の解釈のアプローチが面白い、エモい。
開発時の秘話などこちらの動画で聞くことができます。
【鈴木さや香×マルミ光機】「見え過ぎている世界ではなく、解像度のいらない世界が撮りたい」老舗メーカーと若手写真家の挑戦
ポチって程なく届きました。
アルプスパンチ! と なついろパンチ! 67mm
口径は一番大きい67mmを選択、所有しているレンズ全てだけで試したいと思っていたのでケラレを回避できそうなのを選んだ。
どちらも意外にも図太い印象があり、品質の高さを感じれます。
アルプスパンチ!
ボッテリとした緑色が確認できるが、光が入るとマゼンタ色に輝く、玉虫色っていう表現がのがぴったり、暖色。
なついろパンチ!
もうブルーという感じで、寒色、レンズの縁の方が虹色に滲んでいる。。
なついろパンチ!の表面に虹色が見える事がありますが、これは干渉縞という自然現象で、撮影には全く影響はありません。
マルミ光機株式会社 - アルプスパンチ!/なついろパンチ!
レンズに装着するまでもなく、目視ですでに滲んでいるのがわかる。
それとどちらも露出が1~2段暗くなる。
67mmだと大口径のレンズに使えるだろうか?広角大丈夫?と気になりCanon RFのLレンズを出してみる。
試したのは以下の大口径の部類に入る最近のレンズたち、、
- RF14-35mm F4L IS USM (φ77mm)
- RF50mm F1.2L USM (φ77mm)
- RF24-70mm F2.8L IS USM (φ82mm)
14-35と50の77mmは、step downリングを2つかして (77mm -> 72mm -> 67mm) 装着、ケラレは気にならなかった。
ただ、14-35はワイド端付近(だいたい21mm以下ほど…)になるとケラレがしっかり出ます、(超広角が使えない)
24-70mmはそのさらに1step口径が大きいこともあり、3step downは流石にキツく、ケラレました。
50mmは問題なし。
ただ、この手の効果のフィルターを超解像度のLレンズにわざわざ使うのか🤔
レンズ交換式ではなく、コンデジでも使えるのか
フィルターの効果の前に、、どのレンズで使うか迷ってしまい、、 どちらかというとレンズが沈胴式のコンデジのような小さいカメラでスナップで使えた方が良いな、、と思い立つ、GRで使えるか?
GR IIIにアダプターを使ってフィルターをつける
GRのアクセサリーにコンバージョンレンズを装着させるための専用レンズアダプターがあった、これを使い49mm径のフィルターがつく。
https://ricohimagingstore.com/lensadapter-ga-1-s0037817.html
が、半分以上の価格でサードパーティ製でアダプターが出ていた、↓にした。
【KANIフィルター】 RICOH GRIII用フィルターアダプター GR-I 52mm/49mm
作りも安っぽくなく良い、電子接点はいらないし口径は52mmで👍、、これでアルプスパンチ!となついろパンチ!67mmはstep upでいける、、何段階だ、、?
52mm -> 55mm -> 58mm -> 62mm -> 67mm
4step upリングが必要、、フィルターまで遠い、、GRに取り付けてみる。
ちとデカくなってしまったが、なんとかいけそう。
アダプターつけるとまるでGRではないような見た目に、しかしそんなに悪くない、カメラらしい形で手にフィットする、、コンパクトなボディは完全に犠牲になるけど。。
計量
重さはどれだけ増えてるか。。
90g増。
67mmのサイズとステップアップリングが4本とアダプターのせいもあるけど、アルプスパンチ!なついろパンチ!共に2枚のレンズが挟まれていて、かなりずっしりと太い。
ペンタのレンズキャップも用意。
厳ついんだか可愛いんだか、あべこべだけど黒を保っている。
ポケットには収まりきれないサイズ感。
ロゴは可愛いが重量感もありしっかりした作り、日本製。
ではこのGRでスナップを撮ってみたいと思います。
GRIII での作例
WBは昼光、夜はauto設定、RAW現像で露出のみ触ってます。
なついろパンチ!で撮影、空を撮ると青をさらにのせてくれます、8月の空、夏の空がまさに似合います。
ハイキー気味にとったほうが好みの色味になってくれるような気がします。
ディティールは抑えられるが、GRのAFでも何とか喰らい付いてくれます(元々GRのオートフォーカスが頼りないところもあるので、背面液晶のタッチフォーカスで補助が必要な場面はありました。)
アルプスパンチも同じくディティールは抑えられ、露出も落ちる。
パープルフリンジや虹色フレアなどをあえて出やすく設計されているようで、この効果は絞ぼった方が効果が強く出るらしい。
いまいちまだコツが掴めないが、飛び道具的に使える、、が、やりすぎは飽きるだろう。
変わったボケみになる、、この効果は面白い。
フィルター有無の比較
このフィルターを外した後だとGRの解像度とRAWデータの扱いやすさに改めて驚かされる。
しかし、このフィルターの効きは濃厚、、ギターのエフェクターで言えばFUZZのような、原音もニュアンスも伝えないようにして誇張したサウンドが出てくるみたいな印象です(この辺はトリセツ動画を参考に)
フィルターもカメラと一緒に連れ出して、鮮明なデータを残したい時は取り外し(GRのアダプターなら一緒んで外せる)すればいいので、これが撮影時に選べるのが醍醐味のように思えます。
ここでトリセツ動画も公開されているので、ぜひこちらも参考にしてください。
鈴木さや香さんのパンチ !のトリセツ★1
鈴木さや香さんのパンチ! のトリセツ★2 ❝アルプスパンチ!❞
鈴木さや香さんのパンチ!トリセツ★3❝なついろパンチ!❞
アルプスパンチ!は周辺の色収差がだいぶ強い、、日の丸構図であればさほど気にならないですが、使い所が結構難しいですね(撮影中は気にしてなかった)、これも味ではあるんですが。
なるほど、じゃじゃうまなフィルターです。
夜間の写りです。
ISOのノイズもフィルターを通すと効果の1つのようで、さほど気にならなくなってしまうような気もします。
どちらも赤の浮かび上がり方に特徴があり、「暗部はちょっと潰れ気味になります。
動画はどんな感じ?
都内の小さな川岸で短い動画を撮影してみました。
カメラはCanon R5にRF14-35mm F4 L IS USMという組み合わせ。
↑でも触れているように、77mm口径に67mmのフィルターを当てているので、ワイド端側でケラレが出ます、だいたい22mmぐらいの画角になってます。
4k 60fpsの撮影、R5のauto任せでカラグレはいじっていません。
フィルターなし -> なついろパンチ! -> アルプスパンチ!の順で同じ場所でスタビライザを使ってます。
なついろパンチ!
水面の光の反射がとても印象的です、もっと雲も少なめで青空だとよかったんでしょうが、、雰囲気出て使えそうな予感です。
アルプスパンチ!
個体差もあるんでしょうが、周辺の色収差がはっきり出てしまってます、、広角が合わないのか、もうちょっと標準域で使わないとダメそうですね。
もうちょっと絞ってフレアを狙うと良い効果も期待できそう。
ジェットダイスケさんもレビューしており、参考になる解説が聞くことができます。
確かに60fpsより24フレームぐらいが雰囲気合いそうです。。
使ってみた感想
トリセツでも言われていたんですが、あんまり使いすぎると確かに飽きてしまうかもしれません。。
これらのフィルターの効果を見ると即「パンチ」を使ったとバレてしまうような、、そんな味付けの濃いフィルターであり、使い方もコツが入りそうなじゃじゃ馬な機材です。
この夏に使ってみたいという思いで購入してみましたが、澄んだ空気や遠い空の環境下で撮影するのもまた違った印象が出そうです。
価格もそんなに安価ではないですが(安いoldレンズなら買えてしまう😅)、それでもいつも使っているカメラの見慣れた写りから、1枚被せるだけで大きな変化を与えてくれるフィルターでした。