【レンズ】Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm F4 旧東ドイツ
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オールドレンズの紹介です、20mmのフレクタゴン。
1963年頃に発売されたらしい、当時旧東ドイツのカールツァイス・イエナで開発された、この年代のオールドレンズにしては珍しくワイドな画角のレンズです。
1978年まで生産されていたようで、調べてみると1964年11月以降に光学設計が変更されているようで、当レンズのシリアル番号からみるとその設計変更後に生産されたものだということがわかります。
開放はF4、超広角域は絞ることが多いので個人的に十分な明るさ、F22まで絞れる。
何よりこの目を引くゼブラ柄と、これもオールドレンズとしては珍しいフロント側の大きな口径の見た目に惹かれて使ってみたいと入手しました。
レンズ構成は6群10枚、重量320gで当レンズはM42マウント。
そしてこのレンズのもう一つの特筆すべきところが最短撮影距離が15mmで、ちょっとしたマクロレンズ的な使い方ができます。
当時のCarl Zeiss Jena製のM42マウントレンズはマウント側に小さな突起物が出てきてて、これは自動絞りの仕掛けらしいが、昨今のミラーレスでアダプターをからマウントする場合はこの突起物を押し込んだ状態でないと絞りが効かなくなってしまう(空回りするようになる)。
家あったM42の変更アダプターは大抵この突起物がマウント時に押し込まれる作りにはなっていました。
ちなみに、RFマウントからCanon純正のEFマウントアダプターをつけてM42マウントアダプターをセットしてます。
EOS R5にマウントしたバランス的には悪くなく、ファインダーから輪郭強調のMFピーキングでピントを合わせることができます
(※フォーカスガイド動作なし)
フォーカスリングは75%(だいたい9時のところ)まで回るので、左手で1度持ち替えないと振り切るところまで回すのは苦労します、、そして感覚的にですが焦点距離15〜300mmの範囲がそのほとんどの領域をシビアに調節するような設計になっているように思いました。
最近は14,15,16mmの超広角レンズを扱うことが多くなったのと、スマホでも広角域が撮れるようになっているのもあり、この超広角の領域の1mmの差はかなり撮る感覚が変わるというのも感じますが、20mmという画角は広すぎず扱いやすいな、、というのがファインダーを除いての第一印象。
フィルター口径は77mmが使えます。
作例
8月27日の都内、だいぶ秋めいて来た感じではありますがこの日は34度近くまで気温は上昇、雲は疎にあるけど太陽の光が降り注ぐ晴天の昼間に近所を散策しました。
WBは昼光設定か、5500〜5800K(ケルビン)で設定、若干のレベル補正を現像で行なっていますが、ほとんどトリミングなしです。
レンズのF値はほとんど開放(F4)ですが、ひょっとしたら記憶違いの値もあるかもしれません(のでご了承ください🙇♂️)。
割と接写気味ではありますが、まだまだ近づくことができます。
開放ではありますが、この接写のおかげでこの領域とF値は思えないボケ味を出してくれます。
しっかりと解像感もあり、色もはっきりと発色しているように思えます。
開放とF11位の比較。
開放はジャスピンでもソフトというか、被写体の描写が眠たい感じに、絞ることでだいぶシャキッとしてきます。
そして、絞るとレンズゴーストがお目見え、広角なので至ところですぐ入ってきます。
入って来て欲しくなるようなフレアの形か、、ウザく感じるかは一概に言えませんが、個人的には嫌いではないですね。
開放、、やっぱり眠たい、、このソフトの効果をちゃんと意識した被写体を選ばないと、、という感想です。
解放時のフレアの具合、オールドレンズでなくともこの状況下であれば出てしまってしょうがないぐらいの太陽の位置ですが、やっぱり積極的にフレアやゴーストを使って撮りたくなりますね。
広角レンズなのでパースも付きます。
今回はあまり強調した作例はないのですが、歪みも発生すると思うので人物撮影などは考えて撮ったほうが良さそうです。
開放のこのソフトの描写、光源の元だとフレアと相まってとても暖かい雰囲気で描写してくれます。
F4なのでNDフィルターも必要なさそうです。
よく発色してくれるし、マクロも使え、ボケも上品、、万能なレンズで品質も高いな、、と思います。
あまり広角レンズっぽくない(超広角のレンズが珍しい)ので、油断しているとパースかかってたりすることもありそうですが、ちゃんと使えてしまう。
動画でも使えそう。
感想
ゼブラ柄がなんかイカしているという見た目で惚れただけなのに、出先で持っていくレンズを選ぶとき広角域を何で補うか、、と迷ったとき選択の1つに入りそう。
撮影データに影響が出ない範囲でレンズ内の汚れがあるのでオーバーホールに出したいところ。
オールドレンズの中では高価な方に分類されるかもですが、良い状態のものを見つけたら購入しても損はしないと思います。
M42マウントとExaktaマウントもある様、まだまだ出回ってそうで相場はだいたい3万〜4.5万、、ってとこでしょうか。
フレクトゴンは35mmも有名らしいですが、この20mmの画角は発売当時は唯一無二で人気を得たらしいです。
60年近く経過した現代でもまだまだ使える、、現代にはない描画性能。
当時の空気をそのまま封じ込めているような、オールドレンズにはそんな魅力というかロマンというか、、沼がありますね。
紹介しきれてないレンズが溜まって来てしまったので、カメラレンズネタを続けて投稿したいと思います。