小さいのにフルサイズボディ、大三元レンズが載る小さいジンバルDJI RS 3 MINIをレビュー、RSC 2と比べてみる。Manfrotto Fast GimBoom Carbon Fibreのような一脚を使った撮影にも最適。
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DJI RS 3 MINI発売
2023年1月10日DJIがミラーレスカメラ用スタビライザー「DJI RS 3 Mini」を発表しました。
名前の通り小型サイズのジンバルで、重量は800g以下、積載量は最大2kg、第3世代安定化アルゴリズム、1.4インチのカラータッチ画面を搭載し、Bluetoothシャッター操作、ネイティブポートレート撮影、など小さいながら最新技術も提供されています。
従来のジンバルと比較するとDJI RS 3 Proと比較すると約50%、DJI RS 3と比較すると約40%軽くなはいるものの、ペイロードは2kgまで対応しているため、主要カメラブランドのフルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラに、所謂大三元ズームレンズをセットできると謳っており、、小さくてもパワフル。
個人的にスペックだけ見ると本命ジンバルの予感だが、パワー不足だったり、ショック吸収の効きが弱かったりしないかが心配。
ちなみに現在使っているジンバルはDJI RSC 2(重さ、ペイロードはRS 3同等)でDJI製のジンバル自体には信頼を置いている。
今回の記事ではDJI RS 3 MINIを実際にRSC 2と撮り比べしてみる。
そして一脚を使ったジンバル撮影もやってみてます。
DJI RS 3 MINIとDJI RSC 2
ここ1年半の間使っていたジンバルDJI RSC 2とDJI RS 3 MINIを比較。
RSC 2もミドルクラスのジンバルではあるがRS 3 MINIはかなりコンパクトであることがわかります。
ちなみに販売価格は同じクラス。
主なスペック比較
RS 3 MINI | RSC 2 | |
---|---|---|
ジンバル重量 | 縦向き:795g 横向き:850g |
1.3 kg |
積載量 | 2.0kg | 3.0kg |
軸ロック | 手動軸ロック | 手動軸ロック |
安定化アルゴリズム | 第3世代RS安定化アルゴリズム | 第2世代RS安定化アルゴリズム |
パラメーター設定画面 | 1.4インチ LCD フルカラータッチ画面 |
1インチ OLED 白黒画面 (タッチ操作非対応) |
映像伝送システム | なし | DJI Ronin 映像トランスミッター |
動作時間 | 10時間 | 14時間 |
充電時間 | 2.5時間 | 2時間 |
発売日 | 2023年1月10日 | 2020年10月15日 |
重量差は約450g、ジンバル撮影は大抵長時間に及ぶのでこの差は本当にデカいです。
設定画面に関してはどちらも同じ設定項目にアサインできるが、やはりフルカラーのタッチ操作は便利(誤操作も起こりやすい)、RS 3 MINIは日本語対応。
動作時間小さくなった分バッテリーサイズも絞られているため短くなったが、、RSC 2を1日中使ってバッテリー残量が50%以下になったことはなかったので、この点も問題なし。
どちらもキャリブレーション実行もスマホレスで行える。
カメラボディプレートの違い
右がRS 3 MINI、カメラボディに対して縦にセットするようになっており、縁にあるフックをボディに引っ掛けてずれにくい設計になっている。
どちらもアルカスイス互換。
その他違い
- NATOレールがRS3 MINIは左片方1つだけ
- ロック機構
- RECボタンとMODEボタンの配置が逆
- チルト部のフレーム設計
ジンバルの挙動、modeやappからの各パラメータの設定項目などは同じUI。 RSC 2のパンモーター辺りから折れ曲がってローアングル撮影に対応するギミックはRS 3 MINIにはなし。
Canon R5 RF24-70mm F2.8L IS USM
DJIサイトと同じ組み合わせ、少し不安だけど大三元レンズをセットする。
738g(EOS R5)と 900g(RF24-70mm)なので最大積載量まで多少余裕を残してるが、かなりぎりぎり感はあって不安にはなるがちゃんと動いてくれている。
ワイド端でバランスを取って、テレ端まで伸ばしてもパワーでなんよとかしてくれるとメーカーも謳ってます。
ただこの状態でバランスをとり、ここにレンズフード、フィルター、ホットシューにマイク、テレ端側にズーム、バリアングルモニターの向きを変える、、など積載量の増加や重心のバランスが変わるようなことを重ねてしまうとジンバルヘの負荷を常に気にしなと、、暴走するようなことはないだろうけども。
基本操作は問題なさそうなので、あとは実際に撮影して安定性を調べる。
Zoomレンズの場合、画角を頻繁に変える場合は焦点距離を中心にしてバランスを取った方が良さそうです2023/01/18
Manfrotto Fast GimBoom Carbon Fibre
ここでちょっとジンバル用の一脚を紹介します。
「Manfrotto Fast GimBoom カーボン」というのですが、ちょっと他の一脚と比べて高価で重量も重たいのですが丈夫でかなり使いやすいツールです。
ジンバルと一脚の併用で疑似的なクレーンを使ったようなアングルや、低いドローン撮影のようなショットもとれるのでたまに使っていました。
使っているときは↓こんな感じです。
一脚を使うともっと高い3mmぐらいの目線やもっと人工的なアングルの動きができるようになります。
これを使った撮影はかなり体力を消耗しますが、ジンバルが軽量化すればFast GimBoomも多用する機会が増えそうなので、今回こちらの撮影動画も含めたいと思います。
ちなみにFAST GimBoomだけで重量800gあります。
もっと軽い一脚もありますが、斜めに傾けた時に一脚が撓ってしまうような細いタイプがどうも精神衛生的に不安になるのと、ナットロック式を何段も緩めたり締めたりするのも面倒で、FAST GimBoomの使いやすさに惚れ込んでます。
とはいえ、安いとはいえないものを乗っけて3/8インチのみで支え、それをぶん回すことになるので、試される方はくれぐれも自己責任で。
比較動画
RS3 MINIとRSC 2でそれぞれ同じ場所を歩きながら撮影してみて比較できる動画を作成しました。
8K 24fps RAWでボディ手ぶれ補正は切っており、レンズの手ぶれ補正だけ有効になってます。
歩き方も所謂ジンバル(ニンジャ)歩きみたいなことはしてなくて、結構ラフに歩いています。
ジンバルはどちらもPF(パンフォロー)モードで、各パラメータは同じように設定。
RS3 MINIほとんど差はなし、安定の挙動。
テレ端70mmにして「3Dロール360」キャプチャはこちら。
流石に大口径レンズをぐるぐるぶん回しているとジンバルが悲鳴を上げてそうでしたが、挙動は安定してました。
Fast GimBoom使用箇所
普段はもうちょっと軽いレンズを使ってますが、Fast GimBoomを使った撮影も楽になった感はあります、、ほんの少しですが。。
そして周囲の視線は相変わらず痛いです。。
こちらジンバルははロックモードにしています。
感想
出先で使う場面がほとんどなので、個人的にはこれからのメインのジンバルになっていく気がしています。
それぐらい動作は安定してますし、何よりこの軽さは本当に嬉しい限りです。
持ち運びもかなりコンパクトになりますし、単焦点やF4小三元であればもっと取り回しは楽になります。
あと、カラータッチ画面もかなり楽、が撮影時は画面ロックかけてないと指が触れてしまって誤操作してしまう場面が何回かありました。
モード切り替えば物理スイッチとかにして欲しかった。。
Canon EOS R5とBluetooth接続はできたものの、RECボタンが反応せず(原因不明)、ワイヤードを使用しました。
[訂正] R5動画モードで「リモート撮影」をしないになっていたのが原因でした、、ワイヤレスでRECできました。 2023/01/18
ただ、今までミドルクラスを使ってきて、キャリブレーションした後パワー任せにしてたアクセサリー取り付けやバリアングルモニターの角度調整、この辺コンパクトなジンバルで使い続けているとどんな影響が出るか、、ちょっと不安ではあります。
ジンバルは故障がつきもので消耗品である見方もあるので、どこまで持つか、、しばらく2つのジンバルを併用していきます。