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【レンズ】Meyer-Optik Görlitz PRIMOPLAN 1:1.9/58 Lens M42 (マイヤーオプティック・ゲルリッツ) 旧東ドイツ 52年製オールドレンズ

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Meyer-Optik Görlitz PRIMOPLAN 1:1.9/58 Lens M42

今回は旧東ドイツ製オールドレンズ、Meyer-Optik Görlitz(マイヤーオプティック・ゲルリッツ)のPrimoplan(プリモプラン)58mm F1.9 M42マウントを紹介します。

1937年から50年代後期まで生産されていたレンズで、当レンズはシリアル番号からみると真鍮ではなくアルミ鏡胴のモデルです。

前オーナーの話では1952年製のようで(シリアル番号からも大体その辺りかと)、鏡胴の縁に傷がある以外はレンズは良い状態ということで大体6万円でイギリスの方から個人輸入しました、70歳のレンズ!

このレンズはコーティングが傷みやすいという評判は聞いてましたが、コンディションはヘリコイドの動作もスムーズでなかなか良好です。

レンズ構成、スペック

レンズ構成はエルノスター型の発展系、解放F1.9の明るいレンズです。

レンズ構成 PRIMOPLAN型

戦前型と後期型のモデルで鏡胴以外にも最短撮影距離が変わるようですが、光学設計自体に変更はないとのことです。
現行のモデルもケンコーが販売していますね。

レンズ構成 4群5枚
絞り羽根枚数 14枚
最小絞り f22
最短撮影距離 0.75m
フィルター径 49mm
質量 175g
製造期間 戦後型 1952年

正面から、絞り羽根も14枚あるので、かなり円に近い形になります。

正面からのPRIMOPLAN解放

かなりの小型です、持っているミラーレスのEOS R5にはちょっとボディとは合わない見た目に。

R5にPRIMOPLAN

この口径でどの様な描写を見せてくれるか、楽しみで仕方ありませんでした。
作例にいきたいと思います。

作例

(F値は正確ではないかもしれませんので、あらかじめご了承ください。)

開放時、ボケのパターンが面白いです。
距離やその形状によって表情がだいぶ変わりますね。

渦を巻くようなグルグルが出るかと思えば、ピンとから近い位置はみずみずしく形状が判別できるぐらいで強く滲み、遠くなる程ソフトにフワッとしたボケになります。

開放時の四隅はだいぶ描写性能が落ちる様です、、そしてピントが決まりきらないぐらいのソフト感。
この描写が相まって独特な雰囲気を演出してくれています。

キバナコスモス

EOS R5, 1/1600s, f/1.9, IS100

アメジストセージ

EOS R5, 1/1600s, f/1.9, IS100

ルドベキア

EOS R5, 1/1250s, f/1.9, IS100

Helios44のぐるぐると比べると、少し品があるというか、そこまであからさまでもない様にも思えます (そういえばヘリオスの紹介まだでした。。)

少し絞ってあげれば四隅の眠たさ、ソフト感はだいぶ抑えられ被写体の輪郭が立ち上がってきます、、F2.8付近でもだいぶ違います。

開放の使い方がかなり限定的なので、仕上がりをしっかりイメージしておいた方が写真の採用率も上がりそう。

ベニバナツメクサ

EOS R5, 1/2500s, f/1.9, IS100

鶏頭

EOS R5, 1/800s, f/4, IS100

植物#1

EOS R5, 1/800s, f/1.9, IS100

植物#2

EOS R5, 1/1600s, f/2.8, IS100

植物#3

EOS R5, 1/1250s, f/2.8, IS100

ルドベキア

EOS R5, 1/1250s, f/2.8, IS100

植物#4

EOS R5, 1/1250s, f/2.8, IS100

フォーカスは10時ぐらいまで回ります、、フォーカスガイドも使っていますがなかなかジャスピンは難しいです、、これはオールドレンズ全部に言えることですが。。

この日はフードはなしでしたが、、ハレーションを受けやすいんですね、特に解放時。
そしてフレアなどの影響はほとんど感じませんでした。
これはこの画角も関係しているかもしれません。

ハイビスカス #1

EOS R5, 1/2000s, f/2.8, IS100

ハイビスカス #2

EOS R5, 1/800s, f/2.8, IS100

最近広角系の画角のレンズを使い続けているせいで、58mmという画角に終始違和感を感じていました。。
50mmは散々使ってきているんですが、自分の標準の考え方がより広角寄りになってきてそうな。。

被写体がスナップや植物が多いせいか、、誰かモデルをやってもらいたい。。

絞ればシャープになっていきます、、このレンズの個性ではないですが。。
どこかふわっと感を残しておきたい、、と思うレンズです(個人的に)

鉄筋建造物

EOS R5, 1/2000s, f/5.6, ISO100

蕎麦屋の前

EOS R5, 1/2000s, f/4, IS100

呉服屋前

EOS R5, 1/2000s, f/5.6, IS320

Allpress Espresso Tokyo Roastery & Cafe

EOS R5, 1/400s, f/2.8, IS100

最後に水面を使ってこのレンズの定評の1つでもあるシャボン玉ボケ具合を見ていきます。

スカイツリーと高層マンション

EOS R5, 1/125s, f/11, IS100

水面 #1

EOS R5, 1/3200s, f/1.9, IS100

解放時、ハレーション気味、ここからフォーカス最短へ図していきます

水面 #2

EOS R5, 1/3200s, f/4, IS100

だいたいF4ぐらい、まだ綺麗な玉ボケではないです

水面 #3

EOS R5, 1/3200s, f/8, IS100

F8から綺麗な円にはなってきてくれます、細かいバブルみたいな感じ

水面 #4

EOS R5, 1/3200s, f/11, IS100

F11、滲み、玉も大きく、同時にレンズ内の汚れというかコーティングのダメージも見えてしまっている

水面 #5

EOS R5, 1/3200s, f/16, IS100

F16、さらに大きく、薄く広がっていってます、形は通して綺麗な縁を保ってます。

水面 #6

EOS R5, 1/3200s, f/22, IS100

絞り切ったF22、見事なシャボン玉。
レンズ内の目視で確認できる汚れというか、傷と同じ模様も見えてしまっている。

ここまであからさまにボケを主題にさせることはないかもですが、ネオンとかでも綺麗な表現はできそうですね。

まとめ

コントラストが低め、、という評価で臨んだんですが、色合いもはっきり出る印象です。 焦点距離が75cmと、被写体とちゃんと距離を撮る必要もあり、標準+8mmという画角はなんでも撮れそうでいて、万能に使いこなすにはこのレンズの特性をちゃんと理解する必要がありそうです。

1つのカットに思いのほか距離やボディ操作とレンズ操作、時間をかけることになります、、まぁそこがオールドレンズの醍醐味ですが。。

秋めいてきて、外に出かけやすい気候になってきました、、引き続きレンズネタを投稿したいと思います。