DJI OSMO POCKET 3 ここまで進化した1インチセンサー搭載のポケットジンバルカメラ(POV、サイド・バイ・サイド比較動画あり)
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2023年10月25日DJIから1型CMOSセンサー搭載でポケットサイズのジンバルカメラOSMO POCKET 3が発売となりました。
POCKET 2が2020年10月の発売なので、3年ぶりのバージョンアップとなります。
とにかく多くのレビュアーからの評価が高く、画質も良くなっているということで購入。
個人的にはジンバルはDJI RS 3 MINIにフルサイズ一眼で撮影、POV的なカメラは去年購入したDJI OSMO ACTION 3で運用していました。
アクションカメラ2強のうちG○Pr○じゃない方、DJI OSMO ACTION 3を入手、撮り比べしてみた
OSMO ACTION 3の画質は悪くはない、といった感じで妥協して使っている感じで、扱いやすさはいろいろ行き届いていて良かったのですが、夜の撮影はほとんど諦めていました。
センサーサイズが1/1.7型から1/1.3型に大きくなった「ACTION 4」も今年の夏に発売されましたが、今回は見送りして来年のアップグレードに期待していたところでした。
OSMO POCKET 3はアクションカメラではないのですが、個人的に厳しい環境で撮影することもなく、バッグに固定して撮影するだけであればOSMO POCKETでもいけそうなのでOSMO ACTION 3を手放し入れ替えて運用することにしました。
OSMO POCKET 3のいいとこ
1. 画質
- 1型CMOSセンサーになったことにより画質が向上、被写界深度が浅いボケも楽しめる
- 3軸スタビライザーで物理的に手ぶれを補正できるので、暗所でも映像が滲むことなく比較的クリアな画質が保てる
- D-Log M 10-Bit (これはACTION 3も同じ)
2. 音声
- ボディに備え付けのbuilt-in mic自体がなかなか優秀(DJI Mic 2を使わなくても良さそう)
3. 3軸スタビライザー
- ソフトウェアの補正(RockSteady, HorizonSteady)のようにクロップされることもなく、画質も変わらず手ぶれ補正ができる
- フォロー, チルト固定,FPVモードと最低限本格的なジンバル操作もできる
4. 回転式2インチスクリーン、縦/横切り替え
- 大きなモニターの操作性もよく、縦画像切り替えも瞬時に対応できる
5, ActiveTrack 6.0 Webカムとしても使える
- 自撮りの際には顔を覚えて追従してくれる、webカムとしても使えるので重宝する
6. 急速充電
- チャージがとにかく速い、「16分で80%まで充電し、32分で完全充電」と謳っているが決して嘘ではない、すごい
と、良いこと尽くめ。
円安の影響もありCreator Comboで10万弱、通常で7.5万ほどの価格設定なのでOSMO ACTIONと比べると少し割高だが、、個人的には通常パッケージで十分かと思う。
ACTIONと比べてのデメリット
1.堅牢性
小型化するとどうしてもトレードオフになるのが故障し易い筐体になってしまうとこ。
さらにジンバルともなると消耗品というイメージはあるので、このOSMO POCKET 3はどこまで保つか。
購入する方はDJIの保証プラン、Care Refreshに入っておくことをお勧めします。
2.SDカード挿入口剥き出し
ここはもうちょっとなんとかならなかったか、、少しでも雨が降ってきたら注意しないと(あえてOSMO ACTIONとのヒエラルキーとしてなのか?)
3.付属のアクセサリーをかまさないと三脚穴がない
三脚のネジ穴をジョイントを使わず作ることはできなかったか、、もう少しなのに
デメリットはクリティカルではなく、ほんの少しといったところ。
これを上回るメリットの方が大きい。
DJI OSMO POCKET 3開封、アクティベーション
通常パッケージの中身は必要最低限のアクセサリーが揃っている。 本体以外はケース、三脚を使用するためのジョイントユニット(三脚使用時も給電可)、USB3 Type-Cケーブル(充電用)、ストラップが同梱されている。
スクリーンのペリペリ(一度剥がすと戻せないやつ)を剥がし、スクリーンを時計回りに45度傾けると直ちにパワーONになる設計、素敵。
DJI Mimoアプリのインストールされているデバイスでペアリングしてアクティベーション、最新のファームウェアをインストールする。
この辺りはDJI製品統一されていますが、Androidの場合DJI MimoインストールはGoogle Play経由ではなく、インストーラー自体(APKファイル)をサイトからダウンロードするタイプ(Google Playに嫌われているのか?)
ボディのSDカード挿入口、剥き出しになっており防水対策をわざとしてないようにも思えます。
三脚穴用ユニットをジョイントしている状態だが、逆にこれぐらいサイズがないと手にフィットしないようにも感じるが、、やはりユニットなしで三脚穴をつけて欲しかった。
次は動画チェックへ。
ACTION 3とのサイド・バイ・サイド比較
OSMO POCKET 3とOSMO ACTION 3動画画質とビルトインマイクの音声品質の比較をする。
画質は4K 24fps、10BitのD-Log M、D-Cinelikeの設定。
画角はさほど差はないが、ACTION 3はRockSteadyをかけているため少し狭めになっている。
POCKET 3の映像の解像度はもとより、D-LogデータにLUTを当てた時の色のりも良好。
手ぶれ補正も効いて解像度を損なわない滑らかな映像になっている。
とはいえ簡易ジンバルの感じがしたのは、縦揺れに少し弱いところが目立つ。
ACTION 3の方は晴天ではないとはいえ、まだ明るいうちから滲むようなノイズが発生してしまい、比べてみると映像のディティールをことごとく潰してしまっているような動画に仕上がっている。
音声に関しては、POCKET 3が圧倒的、、と思いきやACTION 3の内臓マイクもなかなか良く録れていた。
夕暮れ時
POCKET 3の低照度モードも優秀で、後程通常モードとの比較でも振れるが、夕暮れ時ぐらいに使用するのが良さそう、かなりクセのあるコントラストがついてしまうが。
ACTION 3はもはや使用できるような品質ではなくなってしまっていた。
POV撮影
peakdesignのCaptureを使ってバッグに固定してPOV撮影をしてみた。
設置場所の調整が少し良くなかったため視界がやや低めになってしまったが、十分使える画質でこちらは十分満足だった。
ただ違和感というか、はたから見るとアクションカメラよりもやはり威圧感がある。
モーションラプス
タイムラプス、ハイパーラプス、モーションラプスのモードから選べ、今回はモーションラプスに挑戦。 だいたい10〜20分撮影、2〜3秒インターバルで撮影している。
1コマずつRAWファイルで書き出すこともできるので、今回はRAW現像したもの。
低照度モード
最後に低照度モードの比較。
レビューで通常モードでも十分暗所に強いってことをよく耳にしたが、確かに同じ印象を持った。
自然光ではない暗闇で強い照明など入ってくるような場合、低照度モードだとクセのと良い色の振りがかかってくるため、通常モードで編集時に好みの感じにカラグレした方が良い結果になりそう。
そしてゴーストが割と目立ってくる。
感想
めちゃくちゃ使えます。
自分のようなアクティブな使い方をせずに歩き撮影がメインであれば、アクションカメラのような堅牢性はひとまずいらないかな、という感想です。
DJIの保証プラン(Care Refresh)に入っていれば安心だし、壊れるまで使い倒すのが正しい使い方の印象。
この小さなモーターがすぐに壊れてしいそうで、壊れるタイミングは怖いところだが。
フィルターもサードパーティから色々出ているので、試してみるのも楽しそう。 アクションカムはもっと大きなセンサー積んで、ソフトウェア補正がさらに進歩するのを期待して、次の発表を待つことにします。