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リニアPCMレコーダー「SONY PCM-D10」と15年前のDSDレコーダー「KORG MR-1」の音録り

  category:camera

動画を撮る機会が増え、どのシチュエーションでどの録音スタイルがベストか試してみた個人的な記録です。。

ジンバル撮影時の音録り

Canon R5にdji RS3 MINIとaudio-technica AT9940

普段ジンバルを使った動画撮影は外部マイクを使用する。
使っているマイクはaudio-technica AT9940、扱いやすい単一指向性ステレオマイクでコスパも良い。

audio-technica AT9940

メタルで統一されていて安っぽさを感じない、プラグインパワー方式と電池駆動は自動切り替え、音はフラットでレンジも広く特に不便がなかったから10程使い続けている。
図体がデカめなのでカメラのコールドシューに、、載せれないこともないがジンバルと併用だと完全に干渉してOUT。

DJI RS3 MINI のNATOレールを使い、カメラのバランスに影響を与えないよう使っているわけだけども、EOS R5画質にばかり気を配ってきて音質は無関心になっていた。

そもそもR5の録音設定はざっくりで必要最低限という感じ。
音はまずかなりコンプレッションされてしまっているしレゾリューションも48kHz止まり。

https://cam.start.canon/ja/C003/manual/html/UG-03_Shooting-2_0070.html

マイク変えるのも手だがフィールドレコーダーで外部録音してDaVinci Resolve上の同期した方が良さそう。。
ということで15年以上前に使っていたKORG MR-1を起こしてみる。

KORG MR-1

KORG MR-1

内蔵バッテリーが瀕死の状態だが生きていた、20GB内蔵HDDも一応動いている、モバイルバッテリーで蘇生しながらHDのフォーマット化などでなんとか使える状態に。

この機種は1ビット、2.8224MHzフィールドレコーダーが当時(今も?)珍しく、DSDレコーディングのパイオニアだった気がする。

​DSDファイルを再生する環境を整えるのも当時そんな簡単ではなかったが、音は確かに良かった思い出がある。

サイズ的にもコンパクトでピッタリだし性能も今でも申し分なしだけど、内蔵のHDDはいつ壊れてもおかしくない状態なのと、色々扱いづらいので 新しいレコーダーを新調することに。

KORGはこの手の後継機種もう出してないんですね、、動画に添える音楽なのでDSDも諦めてPCMに絞って探す。

SONY PCM-D10

色々探してみてSONYの新しめのリニアPCMレコーダーをポチる。

SONY PCM-D10

うゎぁ、、でけぇ。
ちゃんとサイズ(約80.2×197.6×37.4mm)見てイメージしてたけど、、でかい。
D10とA10の商品画像こういう並びにすると錯覚してしまう。

SONY PCM-D10とA10

左のD10が高さ197.6mm、右のA10が109.5mmと9cm近いさが。
サイズ的にはA10が良かったが、音質以外でD10を選んだ理由は一応それなりにあります。

その1 絶対USB Type-Cで給電/充電

USB2のminiやらmicro端子のデバイスは今更増やしたくない。
当てはまるのはD10ぐらいしかなかった。
TASC○Mが対応してくれてたら揺れてた。

その2 単3電池駆動

10年先も使っていくぐらいのこと考えると、内蔵バッテリーは手軽になるが経年劣化でパフォーマンスが落ちていくか、場合によっては駆動しなくなることを考えると、これもマスト、ここは対応している機種が多め。

その3 入力LEVEL感度調整

録音レベルの調整が物理ダイヤルですぐアクセスできるのがものすごい便利だった、しかも左右独立しつつ普通に回す分にはシンクロしている作りも秀逸(結果論)

その4 キヤノン端子(XLR/TRS)でスタンドアローン録音可能

いざとなればコンデンサマイクもファンタム電源で使える。

その5 Bluetooth接続

モニタリングでBluetoothイヤホン使えるところ。
一応appでremote操作可能なところも。

その6 SONY

信者ではないけど、TASC○Mは価格もデザイン的にもUSBオーディオインターフェースになるのも魅力的だったが、やっぱSONYにした。

その7 見た目

強化プラスチックの類だろうけど、筐体がイカつく硬派なカメラボディのような質感、重たくはない。
●録音中ってディスプレイで出てこられると冷めてしまう。


逆にマイナス面もあり…

マイナスその1 デカすぎ

キヤノン端子あって、単3電池対応するとこんなでかくなってしまうのか、、キャノン端子無くしてコンパクトにしてほしい。

マイナスその2 家電風味

なんか安心してしまう家電っぽさ

pro路線なデバイスなら、こういう色を分けとかなくても良かったのに、、またこれもSONYっぽいのかな。。

マイナスその3 モフモフ

デフォでウィンドジャマーつけて欲しい。
スポンジのスクリーンはついているが、野外では頼りない。
このサイズのマイクを覆ってくれるジャマーをあちこちメーカー問わず探すのも一苦労だった。

結果TASCAM WS-11というのをつけているが、これもちょっとギリギリすぎてイマイチな状態。

SONY PCM-D10 もふもふ


デカさが嫌になることがないかわからないですが、192kHz/24bitまで対応していて、SN比なんかも良さそうなので当分はこれでいくことにしました。
(マイクは後々新調します)

実録

Canon EOS R5とジンバルのDJI RC3 MINIを使い動画撮影をして下記の録音パターンと比較してみた。

  1. EOS R5の内蔵モノラルマイク (ウィンドカット切 / アッテネーター切)
  2. ROS R5の外部ステレオマイク端子からaudio-technica AT9940を繋ぐ
  3. SONY PCM-D10 内蔵コンデンサーマイク (高S/Nモードオン, 96kHz/24bit)
  4. SONY PCM-D10の外部ステレオマイク端子からaudio-technica AT9940を繋ぐ
  5. KORG MR-1の外部ステレオマイク端子からaudio-technica AT9940を繋ぐ(2.8224MHz DSDIFFフォーマット)

DSDフォーマットは「AudioGate」を使い96kHz/24bit PCMに変換、.wavファイルとして扱う(この時点で意味は無くなっているが…) DaVinci Resolve Studioでプロジェクトの音声は96kHz/24bitに設定。

ついでにざっくり動画のフォーマットは8Kオーバーサンプリング4K 23.98fps, Canon Log ONの状態。

YouTubeにUPしている時点で音声圧縮は入っているはずなので、動画は参考程度でお願いします。
著者の所感はレンダリングする前の動画編集時のものです(音像的には1番解像しているフローです)

①EOS R5 Built-in mono mic

1番手っ取り早く録音ができる選択、8K対応しておいて音はモノラルっていうのも解せないが、、一応音声は取れる程度のクオリティ。
1番チープな音質、比較用。

外部録音機に頼る場合でタイムコード同期もできない時、このとりあえず録音をすることによって音の波形からDaVinci Resolveは編集時に一発同期してくれるので、なくてはならない機能。

②EOS R5 audio-technica AT9940

Canon R5にdji RS3 MINIとaudio-technica AT9940

EOS R5の外部端子にマイクを繋ぐ、録音処理はR5でこれも同期とか考えなくて良いお手軽スタイル。
マイクはNATOレールにつけているので、ジンバルの挙動への干渉も心配なし。
内蔵マイクよりは果てしなくマシになる、これ1本でステレオ対応だし、今までこれで十分だと思っていた。

③SONY PCM-D10 Built-in stereo condenser mic

SONY PCM-D10とEOS R5

このパターンが1番かさばる。 PCM-D10自体を左右の中心に持ってこないといけないので、固定できず、、ジンバルとの併用は現実的ではない。

内蔵のマイクっていうのは期待できないものだが、このPCM-D10のコンデンサマイクはとてもコシがあるサウンドだった。
AT9940と比べると中低音域も豊かで、且つクリアに録音ができた。

カメラか本体を三脚固定などする場合は使える、ジンバル仕様じはレシーバーのように体の近くに忍ばせれば可能か、、やっぱデカすぎる。

良い音だった。

④SONY PCM-D10 + audio-technica AT9940

SONY PCM-D10 + audio-technica AT9940

PCM-D10に録音処理を行わせてマイクはAT9940を使うパターン。
PCM-D10自体は録音開始後はコードを伸ばしてバッグに忍ばすことができるのでジンバル運営も可能。
で、R5とPCM-D10の録音処理の違いだけども、比べてみるとだいぶ違うことに気づいた。

ここで②と差を感じられなければ今回の買い物は何だったってことになるが、明らかに音の解像度、鮮明さが違う。

レゾリューションの違いだけではないような気がするが、比べてみるとR5の内部処理は荒さが目立つ。

正直の96kHz/24bitと192kHz/32bit floatの聞こえ方の違いを言えと言われても正確なさを言い当てることはできないと思う素人の聴覚ではあるが、、この独立したPCMレコーダーで撮った音の音像の細かさははっきり感じることはできた。

⑤ KORG MR-1 audio-technica AT9940

KORG MR-1 audio-technica AT9940

DaVinci ResolveはDSDフォーマットには対応していないため、「AudioGate」でPCMに変換して取り込んでいる。
(KORG MR-1内部PCM録音は192kHz/24bitまで対応)
SONY PCM-D10と差は感じられなかった。。
そもそもDSDをネイティブで聴く環境が整ってないため、PCMに変換後をMR-1で聴き比べてみたが、正直わからなかった。

スペックと性能的にまだまだ十分使えるが、いつ動かなくなってもおかしくない状態なのでPCM-D10にその場を譲ることに。。

感想

だいたい想定通りの結果で、できるだけ良い音で素材を残したいのであればまた機材が増えてしまうという感じに。
ワンオペのジンバル撮影に限る話だが、YouTubeにUPするためだけの動画であれば、EOS R5 外部マイクを使うのが手軽(小型マイクであれば)、外部レコーダーを使ってもそこまでのクオリティの差は出にくい印象。

マイク自体を指向性で選別したほうが重要なのかも。