約4億270万画素の合成画像をカメラ内部で行う「IBISハイレゾ撮影」は使えるのか? EOS R5ファームウェア Ver 1.8.1
category:camera
キャノンがEOS R5の最新ファームウェアver.1.8.1を2023年3月30日に公開しました。
このファームウェアupdateに含まれる機能に高解像度の合成画像を生成する「IBISハイレゾ」の撮影機能が含まれています。
今回はこの新機能の作例などを紹介したいと思います。
ピクセルシフトマルチショット
ソニーや富士、他のメーカーでも既に一部のミラーレスカメラに搭載されていた機能ではありましたが、ようやくCanonも、しかもファームウェア更新で対応してきた、、というR5ユーザーとしては嬉しいupdateになりました。
「IBISハイレゾ」は、IBIS (In body Image Stabilizer) 機構を用いて、撮像素子をずらしながら9枚の画像を撮影し、約4億画素の合成画像を生成する機能。建造物の複雑な輪郭や細かい装飾など、被写体のディテールを高精細に再現する。
CAPA CAMERA WEB - キヤノン「EOS R5」で4億画素の画像を記録するIBISハイレゾ撮影が可能に
当然のことですが、9回(電子)シャッターを切って1枚のjpegに合成するので、完全に静止している被写体でないといい結果はでないと思います。
物撮りや建造物などちゃんと使えるシチュエーションは限られそうです。
撮影後、カメラ側の処理でBusy状態が10秒近く続きます。
IBISハイレゾ撮影設定
ファームウェアupdate後、R5にこのような設定項目が増えています。
今のところ細かな設定など一切なくon/offだけですね。
IBISハイレゾ撮影をオンにすると強制的に一部の機能が制限されたりもします。
- 電子シャッター最長0.5秒
- RAW出力には非対応
- 出力はJPEG/ラージのみ
- レンズ/ボディのIS機能はキャンセル
- 長秒時露光のノイズ低減キャンセル
RAW出力できないのはちょっと残念、、今後のupdateに期待。
作例
トラベル三脚を使っていたので、その点で出力に影響が出てしまっているかもしれないことを最初にお伝えしておきます。
室内撮影
レンズはRF 24-70mm F2.8L使用
室内撮影の物撮りです (↓の画像は掲載用に最適化してます。)
web用途だったり、トリミングしなければその差は目で確認することはできないですが、、
ここまでzoomするとピクセルのカクツキ/ジャギー感が滑らかになっている(アンチエイリアスのよう)、小さなゴミや黒点のディティールが比較的しっかり出ている、、ぐらいの差は確認できます。
左がIBIS、右がjpeg撮って出し。
こちらにカメラから生成された画像を置いておきますので、よかったらご覧ください。
IBIS画像[72.5MB]
jpeg撮って出し[7.9MB]
屋外撮影 1
レンズはRF 14-35mm F4L使用 屋外撮影、動きがあり不向きなんですが桜がキレイだったので撮ってみました。 (↓の画像は掲載用に最適化してます。)
ブレのせいか所々で滲んだような処理が入ってしまってます。
左がIBIS、右がjpeg撮って出し。
ハイレゾの旨味は全く感じれられない、これは失敗ですね。
IBIS画像[107.4MB]
jpeg撮って出し[14MB]
屋外撮影 2
レンズはRF100-500mm F4.5-7.1 L + EXTENDER RF2x使用
東京スカイツリー、望遠で挑んでます。 (↓の画像は掲載用に最適化してます。)
色や物の境界線の表現がjpeg撮って出しはぼやけて誤魔化している感じがあるのに対して、IBISの方は頑張ってディティールを表現しようとしていることはわかります、、劇的に変わっているわけではないですが。
IBIS画像[115.5MB]
jpeg撮って出し[8.1MB]
感想
今回の撮影は全てシャッターはタイマーで行ってます。
三脚はトラベル三脚を使ったので、その点でブレが発生したかもですが、効果としてはちょっと微妙で、飛び道具としてもまだ使えるものではないのかな、、という印象です。
年内にR5 Mark-IIが出るような噂があるので、それまでにもう一度何かしらupdateがあるのか、、その辺りも楽しみに待ちたいと思います。